第4話 つわり【後編】

原作:夫婦カウンセラー 下木修一郎
監修:弁護士 森上未紗(愛知県弁護士会所属)
作画:ChatGPT

あ、思考も読まれるんだった・・・・なんか怖えなぁぁ。

「いや、無い。別の会社だからな。だから彩が会社でどんな一日を過ごしているのか、具体的には知らない。」

仕事ができる人間…そう言われるとやるしかないな。

俺の事よく分かってるぜ夫ドリル!

うーん。。。

「彩は広告代理店で働いていて、今はつわりもあるんだ。きっと大変な毎日を送っているんだろうな。」

くっ!今からちゃんと考えるんだよ!

えーーーーっと・・・・

↑拓也の想像

「うーん、朝からつわりで気分が悪かったかもしれない。」

↑拓也の想像

「昼食も思うように食べられなかったんじゃないかな。」

↑拓也の想像

「そんな状態で、クライアントとの打ち合わせがあったかもしれない。」

「素晴らしい想像力…はははっ、当然だ。」

そう言いながら、自分の中に何か温かい気持ちを感じていた。

「・・・体がしんどいのに、よく頑張ってるよな、彩。」

想像すること。

今まで相手のことを想像して話をしたことなんてあったかな・・・

・・・無いな。

かなりの確率で、自分のスタンスで話していたように思う。

俺ならこう感じる、俺ならこうすると自分の枠組みで考えていた。

なんで俺のように考えられないんだ!?とさえ思ってた。

そうか、相手を想像していなかったからなのか。

彩が帰ってきたみたいだ。

今日は休日出勤になったんだよな…。

「ただいま...」

「おかえり、彩。今日は大変だったろ、がんばったね。」

彩の一日を想像したら、思わず言葉が出てきた。

これが・・・共感的態度か!?

これでいいのか?

「え、うん...ちょっと疲れたわ。」

彩が帰ってきて「疲れた」なんて言う言葉を聞いたことなかったように思う。

今まで俺は、彩の言葉を鵜呑みにしていたのかもしれない。

「ちょっと休んできたら。」

「うん・・・ありがとう。ちょっと横になるね。」

そう言って彩は部屋に戻った。

頑張ってる彩のためになにか・・・そうだ!

俺はキッチンであるものを探した。

「あった!」

「ネットで見た、つわりに効く生姜料理を作ろう!!」

「彩、待ってろ!!俺は最高の夫になるぜ!!」

「ごめん...その匂い、ちょっと...」

「夫ドリル、彩が生姜がダメだって知ってたんじゃないのか!?」

「え?」

「話すことだ」

クイズ王…

「彩のためにと、勝手に一人で考えて行動してしまった。すぐに問題解決するのと同じだ。」

考え方の癖を知る。

そうだな、今まで自分がそんな癖を持っているとも思わなかったからな。

自分の考え方の癖か・・・

「・・・ありがとう。よし、次はちゃんと彩と話をする。生姜がダメだなんて、聞かなきゃ分からないものな。」

「そうだな!よし、がんばるぜ!」

「次こそはつわりに効く料理を!」

夫婦図鑑公式LINE|お友だちになりましょう!