正解した。

返事が問題といわれても、いまいち釈然としない。

「書いていない。だって、返事は問題解決に関係ないだろう?」

彩さん:「具体的に?えーと、私は…やっぱり赤ちゃんが無事産まれるかどうかかな。」

拓也の反応:「なんだ!そんな心配だったのか!」

「心配している彩の不安を払拭したくて言ったんだ。心配しなくても大丈夫だよ、って。ちゃんと彩に関心持ってるじゃないか。」

そういいつつも、なんとなく違和感を感じ始めてきた気がする。

「夫ドリル、もう一度見せてほしい」

この違和感の正体は、まだ明確には言えなけれど…なにかズレている気がする。

あの頃の俺は、いろいろと理由をつけて、あきらめていたんだな。

せっかくやり直すチャンスを得たんだ。

なんとしてでもここを乗り越えなければ。

ことわざ?

聞いたことある。

それはたしか…アル・ゴア元米副大統領の演説で用いられた言葉だったはずだ。

夫ドリルはそういうと、フッと目の前から消えた。

もうそんな時間だったのか。

「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」

チームワークの重要性を説いた言葉。

様々な問題も、みんなで力を合わせれば、遠くまでたどり着くことができるということだろう。

遠くとは、夫婦だと最後まで連れ添うような意味かな。

みんなで行け。みんなで力を合わせろってことだろう。

だから、俺は彩の不安や悩みを解決しようとしたんだ。

彩の悩みは俺が解決することが、みんなで力を合わせるということじゃないのか?

彩の悩みを…

彩の⋯悩み?

悩みは、彩のものか?

それ、違うんじゃないのか・・・

「そうか!」

俺は自分がした「返事」に大きな問題があることに気がついた。

今日はもう遅い。

気付いたことを明日、彩にちゃんと伝えよう。

悩みは、彩のものじゃないのだから。

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