正解です。
正解した。
返事が問題といわれても、いまいち釈然としない。
せっかくなので、あなたが描いた先ほどの図を使って説明しましょう。
よく見てください。
この図に「返事」のことは書きましたか?
「書いていない。だって、返事は問題解決に関係ないだろう?」
フッフッフ。では、もう一度「返事」のシーンを再生します。
彩さん:「具体的に?えーと、私は…やっぱり赤ちゃんが無事産まれるかどうかかな。」
拓也の反応:「なんだ!そんな心配だったのか!」
「心配している彩の不安を払拭したくて言ったんだ。心配しなくても大丈夫だよ、って。ちゃんと彩に関心持ってるじゃないか。」
そういいつつも、なんとなく違和感を感じ始めてきた気がする。
「夫ドリル、もう一度見せてほしい」
ええ、喜んで。
何度でもプレイバックしますよ。
「私は…やっぱり赤ちゃんが無事産まれるかどうかかな。」
「なんだ!そんな心配だったのか!」
・
・
・
「なんだ!そんな心配だったのか!」
この違和感の正体は、まだ明確には言えなけれど…なにかズレている気がする。
多くの夫が、昔のあなたと同じように妻との会話につまずき、妻との関係から逃げてしまうのです。
『結局、男と女は分かり会えないんだよ…』
会話が噛み合わない不満に対して、周りの男たちとそんな風に話をしてきた。
なんで分かってくれないんだとイライラもした。
夫婦なんてそんなもんだ、と思うようになった。
あの頃の俺は、いろいろと理由をつけて、あきらめていたんだな。
せっかくやり直すチャンスを得たんだ。
なんとしてでもここを乗り越えなければ。
夫婦において会話とは何かを考えるヒントを出しましょう。
この『ことわざ』について考えてみてください。
ことわざ?
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)
聞いたことある。
それはたしか…アル・ゴア元米副大統領の演説で用いられた言葉だったはずだ。
今日はもう遅い。
続きはまた明日にしましょう。
では、おやすみなさい。
夫ドリルはそういうと、フッと目の前から消えた。
もうそんな時間だったのか。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
チームワークの重要性を説いた言葉。
様々な問題も、みんなで力を合わせれば、遠くまでたどり着くことができるということだろう。
遠くとは、夫婦だと最後まで連れ添うような意味かな。
みんなで行け。みんなで力を合わせろってことだろう。
だから、俺は彩の不安や悩みを解決しようとしたんだ。
彩の悩みは俺が解決することが、みんなで力を合わせるということじゃないのか?
彩の悩みを…
彩の⋯悩み?
悩みは、彩のものか?
それ、違うんじゃないのか・・・
「そうか!」
俺は自分がした「返事」に大きな問題があることに気がついた。
今日はもう遅い。
気付いたことを明日、彩にちゃんと伝えよう。
悩みは、彩のものじゃないのだから。
さて、拓也はいったい何を気づいたのでしょうか。
そして、彩になんと伝えるのでしょう!?
妊婦の不安編・後編で結果が明らかに!!