「仕事の疲れ…」
確かに仕事で疲れている。でも…なんか仕事を言い訳にしているような気がするが…。
「これが原因なのか?」
はい。
あなたが感情的になったと思われる最も大きな要因は「疲れ」にあります。
「疲れが原因?」
疲労は私たちの肉体だけでなく、感情をコントロールする能力を著しく低下させます。
それはスポーツなどでも同じ。
試合前に疲れていたら、どれだけ練習したとしても、成果を十分に発揮できなくなってしまいますね。
疲れのもととなる「多忙」は、大切な人との関係性を破壊する最も注意すべき要因のひとつなのです。
「でも、疲れているのは彩だって同じはずだ。それなのに、俺は気持ちを受け取れなかった。」
ええ、彩さんも疲れています。
だから、お互いに相手の気持ちを受け取れなかったのでしょう。
受け取れない「俺」に問題があると思っていたけれど、そうか、彩も俺の提案を受け取れなかったのか…。
通常であれば、一方が疲れているとき、もう一方がそれをカバーできます。
それが夫婦というチームの価値でもある。
しかし、お二人とも疲れている状態では・・・
これは、疲労による負の連鎖です。
そう言うと、夫ドリルは水面に波紋が広がっていくような図を描きはじめた。
仕事での疲れ
精神的なゆとりの低下
些細なことでのイライラ
パートナーとの関係性の悪化
さらなる精神的疲労
…という具合に
まさに今の状況だ。
混乱して、もう何をどうすればいいのか分からない。そんな感じだ。
ここで重要なのは、この連鎖に気づくこと。
そして、それが一時的な状態であることを理解することです。
「一時的な状態?」
はい。
今のイライラや後悔は、あなたと彩さんの関係性そのものの問題ではありません。
それは疲労という外部要因がもたらした一時的な状態なのです。
「一時的な...だから焦って関係修復しようとするより、まずは休息が必要だということか。」
その通りです。
休息は贅沢ではなく、良好な関係性を維持するための必要不可欠な要素なのです。
「でも、休息って言っても...仕事は続くし、彩のつわりだって...」
そうですね。
だからこそ、限られた時間の中で効果的な休息を取る工夫が必要になります。
明日は、その方法について考えてみましょう。
休息を取る。
会社を休むのですら”もったいない”と思っていたから、休息のことなんて、深く考えたことはなかった。
でも、休息なんて取れない状況で、夫ドリル、いったいどんな提案をするつもりだ??
の・・・のぼせた・・・