金メダリストの妻に学ぶ夫の支え方(フェンシング金メダル山田優を叱咤激励 元エペ日本女王の妻・里衣さん)

夫婦図鑑、夫婦再生カウンセラー下木修一郎です。

フェンシング男子エペ団体、金メダルおめでとうございます!
金メダルを取った山田優(まさる)選手の奥様、里衣さんの「叱咤激励」がメディアで話題になっています。

金メダリストの奥様から、夫の支え方について学ばせていただきたいと思います!

奥様も旦那さんと同じフェンシングの選手だった

奥様の里衣さんは、元エペ日本女王だそうです。
あ、エペって知ってます?フェンシングといえば、北京、ロンドンでメダルを取られた太田ゆうきさんが有名ですが、彼はフルーレなんです。エペとフルーレはちょっと違うらしくって、簡単に説明すると、フルーレの有効面は胴体、エペは全身なんだそうです。私も知らなかったです。

奥様の話に戻しますね。里衣さんは東京五輪を前に引退したそうです。「競技への未練があったはずなのに食事や育児で支えてくれて。感謝しかない」と山田選手が恩返しを誓った存在だったそうです。

ただ、その山田選手は昨年ヘルニアが再発。3か月のリハビリを経て競技復帰しました。しかしその後も状態はなかなか上がらなかったそうです。

そのときのことを、里衣さんはこうおっしゃっていました。「夫は焦りからイライラしていた。私も現役の時、けがをして励まされてもつらかったので自分から声をかけることはしなかった」ぐっと見守ったそうです。

また、直前合宿前、調子が上がらずコーチに怒られ「家で泣きながら五輪前の練習について話していたことがありました」。その時も里衣さんは黙って聞いたそうです。

見守ることのすごさ

見守る。黙って聞く。これはすごいことです。本当は何か言いたくなりますよ。声をかけることで、私は応援してますから!を伝えたい。イライラしている夫をなだめたい。応援している存在がいるよ!って言いたい。なんならアドバイスしたい。楽になってもらいたいから、何かしたくなる。

同じ競技をされていた奥様ならば夫の気持ちもわかる。だから、共感だってできるでしょう。

でも、里衣さんは、自分自身がされて嫌なこと、励まされて逆に辛かったことを忘れずに、ただ見守った。ただよりそうというしんどい選択をされた。

今は見守る。夫を信頼した。それは山田選手がどれだけがんばってきたかをしっかりと見てきたからこそできたことだったのでしょう。

すごいです。相手のがんばりをちゃんと見るって、難しいことです。もちろん、山田選手の壮絶ながんばりがあったからそこだと思います。

この話、一般の方で考えると、同じ職場で結婚した、お仕事内容も同じだった夫婦のパターンですね。夫の仕事もわかるし、自分もやっていたので、いろいろ手に取るようにわかる。

でも、だからこそ、逆にむずかしい。大変だよね、とか、そんなやり方しちゃうまくいかないでしょ、とか、こうやってやれば早く終わらせられるんじゃない?といろいろなことを感じてしまうそうです。実際に言ってしまう方も多い。だから里衣さんの辛抱がいかにすごいことか分かるわけです。

実は・・・男性は中途半端な共感を嫌います。わかるわかる、とか、つらいよね、とか言われると、何がわかるんだよ!となってしまう。俺がどんな思いでがんばってるのか、わからないくせにわかったように言いやがって!と傷ついてしまうこともあるのです。だからこそ、何もいわずに見守ってくれたこと、山田選手の大きな力になったでしょう。

叱るときも、ポイントがわかりやすい!

ただ、そんな里衣さんも、叱ります。山田選手が個人の準々決勝で敗れ「ダサい負け方したな」とツイートしたそう。その時にりえさんは、「自分を否定しちゃダメ!と叱ったそうです。

「俺はダメだから」とか「俺には価値がない」などと男が自己否定をするときは、とても孤独な状態。自分が自分を信じられなくなっているとき。だから、一番応援が欲しい。

そんなことないよ、あなたはできるよ、という言葉でもいいと思います。相手が落ち込んでいるわけですから。

でも、ここ一発の勝負のとき。このあと団体戦が控えてる。自己否定している場合じゃないということで、叱ったわけです。叱りながら激励する。叱咤激励。

そして特筆すべきは、叱った言葉。自己否定を叱った。そんなこといっちゃだめ!とか、自信持たなきゃ!とか、しっかりしなさい!じゃなかった。「自分を否定しちゃダメ」。今、何をするかを伝えたとしても、難しい。自信を持ちなさい、と言っても、簡単なことじゃない。

でも、逆に、何をしてはいけないのかだったら、できる。それを具体的に伝えた。

金メダルをとった夫へのコメントも秀逸

そして、山田選手が金メダルを取った時のコメント、これも特徴的だったんです。「すがすがしい表情で格好良かった」という言葉を里衣さんはおっしゃった。おめでとう!とか、うれしい!とかでもぜんぜんいいのですが、格好よかった、と。

くぅううう!かっこいい、って言われるの、男としてすごい嬉しいんですよね。普段からかっこいいって思ってくれてるんだなと。じゃないと、とっさに出ないですよこの言葉。男の人が妻の前で男でいられるのは、かっこいい!と思ってもらえているからなのです。だから、もっとかっこよくいたいと思う。

山田選手、本当におめでとうございます!そして、里衣さん、素晴らしいエピソードありがとうございました!里衣さんの支えがあっての金メダルだと痛感しました。夫の支え方、勉強になりました!ありがとうございます!おめでとうございました!

下木修一郎

執筆 夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家

↓男性専門のカウンセリングの申し込みはコチラから。日本全国お電話でもお話できます!

夫婦図鑑公式LINE|お友だちになりましょう!