「結婚は我慢だ」っていうフレーズを言ってる人は、自分の『家族の価値』を下げてる

「結婚は我慢だ」

なんて、飲み屋でオッサンがよく言ってました。

「結婚なんて、まぁ、そんなもんだよ。俺はもう諦めてるよ。嫁さん怖いもん。結婚なんてするもんじゃないぞ。」

みないなことを若者に言ってる。テレビの取材でもよく聞きます。気が大きくなってね。妻の前じゃ絶対に言えないけれど。

ああいう言葉を聞いていると、なんだか悲しくなります。

だって、自分の妻、自分の子ども、自分の家族に、とても後ろ向きじゃないですか。

「結婚は我慢だ」とか言ってる男性に言いたいのだ!

「結婚は我慢するものだ」と、結婚の価値を勝手に決めつけ、自分が向き合えないことを正当化しないで欲しい!!

本当は違うでしょ。

頑張ってる姿を分かってもらいたいんでしょう?

「俺はこんなに頑張ってるんだよ。分かって欲しいんだよ。」

って思ってる。

なのに、それが言えない。

素直に自分の弱さを妻に言えない。だから、言い方を変えて、誰かに分かってもらいたい。自分がいかに頑張ってきたかを。

自分の弱さを言えないタイプの男性たちが

夫婦を壊す存在

になっていると、夫婦相談を受けていて強く実感しています。

逆にいえば、弱さを言えない男性の意識変化が、これからの日本の夫婦にものすごく重要。男性がちゃんと弱音を吐ける、いや、夫婦ともに弱音を吐ければ、家族は変わる!!家族が変われば日本も変わる!!!

『結婚=我慢』と考える男性の意識とは

それにしても、夫はなぜ我慢してしまうのでしょうか。

誰も「我慢しなさい」って頼んで無いんですけどね・・・。(ん?もしかして・・・?)

その前に、そもそも「我慢」ってどういう意味なのかを調べておきましょう。

感情や欲望のままに行動するのを抑え堪え忍ぶこと。辛抱すること。

大辞林 第三版

行動を抑え、耐え、忍ぶ。なるほど。

男性は、何に耐え忍んでいるのか。

それはずばり、

俺は、家族のために耐え忍んでる!!

↑これ!これですよ!!!

耐え忍ぶことが、男性の美学なわけです。

でもね、確かに、、、

結婚すると、自分の生き方を変えなければならない。

自分のために時間が使えない、お金が使えない。

結婚って我慢だ・・・と思うのも無理はありません。

ちなみに、私の独身の時は、そりゃもう自分ひとりでやりたい放題でした。お金使い放題、給料日の前日は480円をATMから引き出していたくらいです。ヒドイもんです(笑)それが結婚したら、生活のために、子どものためにお金を使うことになります。家族が海に行きたいと言えば計画し、奥さんが新しいスポーツウエアが欲しいと言えばショッピングモールにまっしぐらです。自分のためだけに時間やお金を使うなんてことはできなくなるわけです。

確かに、我慢は必要です。

みんなやりたい放題してたら、家族なんてすぐに破綻ですからね。

でも、世の男たちの言う「結婚は我慢だ」という言葉に前向きさはありません。

妻に対しての『諦め』

しかないのです。

「もう、俺にはどうしようもないよ、帰りにビール飲んで帰るだけさ。」

つまり、人生の半分、ワークライフのライフを諦めてるわけです。

ただ、残念ながら、夫がいくら我慢しても、妻はぜんぜん嬉しくないという(泣)

それどころか、好き勝手に外で飲み歩いて!おそくまで帰ってこずに!と夫にイライラしています。

誰ひとり嬉しくないのにも関わらず、我慢し続ける夫。

なんで?なんでそこまで我慢するの???ですよね。

妻に弱音を吐けない夫

1960年代、夫ひとりで一家の経済を支えることができた時代。

男は外で働き家族を支えるものだという考え方が、本当に一般的でした。

サザエさんのご家庭でみられる家族のあり方です。

(ちなみに、サザエさんのアニメ放送は1969年から)

一家の大黒柱である波平さんは、自分の苦労のことなどフネさんに話しません。

家族を守る男たるもの、妻や家族に弱音を吐くべきではない。

それが、家族を持った男の存在理由だったのです。

フネさんもしっかろその価値観を引き受けています。

波平さんがスネて部屋に閉じこもってるときも

「お父さんお茶お持ちしましたよ」

とさりげなくお父さんは私が味方ですからね、とケアするあたり、「妻は夫を立てるもの」という価値観があればこそなのです。

だから、男は話さなくても良かったのです。

ところが、時代は大きく変わります。

1990年代、リストラ、倒産など、終身雇用が崩壊。共働きが一般化。男性の収入は、ここ15年で80万ほど下がっているという調査結果もあります。

にも関わらず、夫婦は「夫が一家の大黒柱」という、サザエさん時代の家族のあり方からなかなか離れることができません。

女性の40%が「男は外で働き、女は家を守るのが理想」と答えています。

収入が安定的に増えていく時代ではないにも関わらず、一家の大黒柱であり続けることは男性にとっても容易なことではありません。

大黒柱は弱音を吐いてはいけないのです。

理想と現実が伴わない状態で必死に働き続けた結果、男性は結婚を「我慢」だと捉えるようになってしまいました。

歪んだ形で自分を支える男たち

本来、誰だって我慢なんてしたくないです。

前向きな我慢(それを辛抱と言う)であれば、受け入れることができるかもしれません。

けれど、自分の環境が良くないのに頑張り続けるのは、目が出ない種に水をやり続けるのようなもの。

ものすごく、虚しい。

虚しいから、なかなか家に帰らなくなる。

「結婚なんかするもんじゃねーぞ!」

酔っ払って部下に絡むその姿に、周りは「あんたの奥さんが可哀想だよ」って思ってるんですけどね。

虚しいから、キャバクラとか風俗の女性に

「ぼくのこと分かってくれるのは君だけだ」

なんてお金払ってまで擬似恋愛しなければならなくなる。

虚しいから、お金がない人(失礼)は、手短な女性に

「自分らしくいられるのは君といる時だけだ」

と女性にサービストークをしてまで不倫にいそしむ。

歪んだ形で、男性たちは自分を支えているのです。

でも、いつかは限界が来てしまう。

「離婚してくれ」

と限界が来た夫は言うのです。

妻からすると

「なぜいきなり離婚なの?」

「ちゃんと話をしてくれないの?」

「夫婦関係を良くするように頑張ろうしないの?」

と、前向きに行動してくれない夫の考えが全く理解できません。

理解できないから、言い争いになる。お互いの心の中を伝えることもなく、ぐちゃぐちゃになっていくのです。

これからの時代に求められる夫の姿とは

これから先、お給料が増える見込みは当分ありません。それが現実です。

このような時代に一家の大黒柱でいようと振る舞うことは、とても不健康な状態です。
それに、我慢し続けることは、残念なことに家族の誰ひとりとして幸せにできません。

これからの時代に求められる、本当の意味で家族を支えられる夫とは、

自分の弱さ認め、弱音を吐ける夫。

この結婚しなくてもいい時代にわざわざ結婚したのは、きっと相手を幸せにしたいと思ったからですよね。

でも、相手の幸せって、あなたの想像している幸せだけとは限らないのです。

夫婦相談を受けていて、このようにおっしゃる奥さまがいます。

「私も夫の支えになりたいんです」

妻もまた、あなたを支えたいのです。

ひとりの人間として、大好きな人を支られることは、とても幸せなことなのです。

旦那さんに「仕事大丈夫?」と聞いても、

「別に、大丈夫だよ」

としか言ってもらえないとき、女性はどんな気持ちだと思いますか。

人生を共に歩いているパートナーが目の前で苦しんでいるのに、何もできないなんて、地獄ですよ。

あなたは、あなたを愛するひとを無力感でいっぱいにしているのです。

あなたの苦しい胸の内を、妻に聞かせてあげてください。

そんなことで、あなたの妻はがっかりしない。

自分の愛した人を信じなさい。

あなたの弱さにガッカリするような妻は、あなたにとって必要のない人です。

男は弱い。

だからこそ、誰かを守れたら強くなれる、と思って結婚する。

でも、いつもいつも強くはいられない。

本当に強い人とは、自分弱さをさらけ出せる人だと思います。

そういう人を、人はもっと好きになるのだと思います。

弱いものは決して恥ではない。
その弱さに徹しえないのが恥だ。

島崎藤村
 

弱さに徹する。なんて素敵な言葉でしょう!!!!!

正直、偉そうなことを言いましたが、私もまだまだです。全然なんです。弱いのです。

その弱さを勇気をもって認めて、夫として頑張っていきます。

みなさんも、一緒にがんばりましょう!

執筆 夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家
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