”自分と距離を置いて”夫婦関係を改善する7つのステップ ・・・ 「Chatter」って知ってますか?

こんにちは、夫婦再生カウンセラーの下木修一郎です。
「私はどうすればいいの?」
毎晩、布団に入るたびに、解決できない問題が頭の中でぐるぐると回り続けていませんか?
夫婦カウンセリングの現場でも、お客様からよくこんな声を聞きます。
「夫は私の気持ちをわかってくれない・・・」
「夫との会話が噛み合わない・・・」
「私がいけないんです・・・」
このような悩みを心の中で繰り返してる状態を、私は「心の声による自傷」と呼んでいます。少しインパクトのある言い方ですが、これはとても切実な状態です。心でこの言葉を繰り返すたびに、自分の心がどんどん傷ついていき、頑張る力も、考える力も失っていくのですから。。。
心だって傷だらけになれば直さなければ苦しくなっていきますね。ところが、傷の原因が相手にあると思ってしまうと、傷を治すためには相手に変わってもらわなければ!と思うようになってしまいます。
このように自分の心の声は、相手との関係を大きく揺るがしかねないもの。しかし多くの人は、自分の心の声に関心を持たず、相手との関係をどうするかばかりに注目してしまいます。
心理学者エタン・クロス氏の著書 エタン・クロス氏の著書 「Chatter―『頭の中のひとりごと』をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法」 によると、自分の心の声をうまく扱うことで、感情を整理し、行動を変えることができると言います。
というわけで本書を読んでみたのですが、これとても興味深い内容だったのです!ぜひ皆さんにもお読みいただきたいと思い紹介しようと考えたのですが・・・
子育てに仕事に家事に忙しくて300ページを超える分厚い本なんて読む時間取れないよ…というあなたのために、この「心の声」を味方につけて夫婦関係を前向きに改善する、夫婦カウンセラーの視点から7つのステップに作り上げてみました!
どれも、無理なく始められるものばかりです。できるところから試してみてくださいね。
1. 自分と距離を置く
「困難な状況で自分を指すのに名前や二人称を使うことで、脳内の反芻を抑え、冷静さを取り戻せる」
(エタン・クロス)
「なんで私ばっかり我慢しなくちゃいけないの?」
「夫にイライラする!」
そんな風に心の声が叫んでいるとき、私は自分と距離が近い状態であるとお伝えしています。
どういうことでしょう?
この状態は自分軸ではなく、「夫にコントロールされている」状態です。
ですが、実際には夫はあなたをコントロールしていませんね。あなたをコントロールしているのは、心の中で繰り返し再生される、「夫は私のことを大切に思っていない!」という叫びなのです。
この声が何度も繰り返されると、夫の行動がすべて否定的に感じられ、さらに苦しくなります。だからこそ、この悪循環を断ち切るためには、「自分から距離を置く」という視点が必要なのです。
心理学の研究では、自分の名前を使って優しく話しかけることで、感情を整理しやすくなるとされています。
例えば・・・
「○○(自分の名前)、どうして我慢しているの?」
「あなたは夫にイライラしているんだね?」
この主語を変える語りかけを行うことで、自分のなかにもう一人の自分を見つけることができます。
「傷ついている自分」と、「それを見つめている自分」です。
問題が起きたとき、客観的にものを見ることで新しい視点が生まれ、解決策や本当に大事なものが何かを見つけることができます。
それを行うために何よりも重要なのは、自分との距離を置くことなのです。

こんなときは・・・
「そんな余裕なんてない」と感じるなら、ため息をつくだけでも大丈夫。一息ついたら、「あなたはがんばっているね」と主語を変えて自分に向かってOKを出してみてください。もう一人の自分の存在を感じられれば距離が取れてる証拠です。
2. 視点を変えて、今を見つめ直す
「過去の成功体験を振り返ることで、今直面している困難もポジティブに再解釈できる」
(エタン・クロス)
夫婦の日々は、いつも順調というわけにはいきません。でも、困ったときこそ、二人で乗り越えるチャンスかもしれません。
例えば、「夫は私のことを全然考えてくれない」と感じたとき、こう考えてみるのはどうでしょうか。
「この5年で、私たちはいろんなことを乗り越えてきた。今回も、きっと二人の関係を深められるはず。」
実は、ここに幸せな夫婦が長続きする秘訣が隠されています。
すごい登山家も、いきなりエベレストに登ったわけではありません。小さな山から登ったことでしょう。
それは夫婦も同じ。夫婦の幸せにたどり着くために、小さな準備の積み重ねが必要になります。
しかし、そう聞くと、あなたは「昔は幸せだったのです」と反発するかもしれません。「私は幸せの頂上から真っ逆さまに落ちたんです!」と。
でも、あなたがいたその頂上は、本当の頂上ではなかったのかもしれません。それは、恋愛の延長線上にあった山の頂上かもしれないのです。
年をとっても夫婦仲よく過ごしている人に聞くと、多くの方が「紆余曲折あって、今の幸せにたどり着いた。」とおっしゃいます。山あり谷ありの人生を経て、それを経験へと活かすことができた人たちのみがたどり着ける「人生という山の頂上」が存在するのです。
それが、人生の楽園なのかもしれませんね。

どんなに険しい道でも、一歩ずつ登っていけば、必ずたどり着けます。そのためには、過去を正しく理解する必要があります。
過去を正しく理解するってどういうこと?と思われた方は、↓コチラのブログが参考になります。ぜひお読み下さい。
こんなときは・・・
「前向きに考えられない」そんな日もありますよね。そういうときは、「今日は気持ちが落ち込んでいるな」と認めてあげましょう。無理に前向きになる必要はありません。今日はだめでも明日は違うかもしれない。大丈夫、空けない夜はないのです。
3. 少し先の未来を思い描く
「悩みを未来の視点から見ると、現在の感情的負担が軽減する」(エタン・クロス)
今の問題で心の声がたくさん喋りまくり、身動きがとれなくなってしまった。
そういうときは、少し先の未来に目を向けてみるのもいいですね。
「来年の今頃、私はどんな風に過ごしているのかな?」
「この経験は、私たちの関係をどう変えていくんだろう?」
辛いと思ったとき、どうしても”今”この時が全てのように感じてしまいます。
しかし、10年後を振り返ったとき、これが笑い話になったり、自分の糧になっているもの。
実際、私は12年前の自身の夫婦関係が悪かったことがきっかけで夫婦カウンセラーという仕事につきました。そのおかげで、今は12年前の夫婦間関係よりもはるかに幸せな夫婦生活を送ることができています。
今は1秒後には、もう過去なのです。
今を苦しむことは、過去を掴んで離さない、そんな状態なのです。
だったら、思いっきり未来にジャンプしてみることだってできるはず。
心は自由なのですから。
こんなときは・・・
先のことを考える余裕がないときは、「今日一日を乗り切ろう」でいいんです。明日のことは、また明日考えればいい。一日一日を大切にしていきましょう。
4. 小さな変化を見つける
「日常の中の些細な違いを見つけることで、関係へのポジティブな視点を持てるようになる」
(エタン・クロス)
相手の良いところを探すのが難しいとき、些細な変化に目を向けてみましょう。
「今日は『ただいま』と言ってくれた」「いつもより早く帰ってきた」など、小さな違いでいいのです。
夫婦の絆を強くしていくのは、立派な結婚式でも、大きな家でもなく、このような小さな出来事を積み重ねられるかだと私は強く感じています。
しかし、小さな変化を見つけにくくしてしまう習性が私たちには備わっています。それは、いつも起きることを「あたりまえ」と感じてしまうこと。
夫が仕事に行くことが「あたりまえ」であれば、仕事から帰ることもあたりまえ。仕事でお金を稼いでくることもあたりまえ。となってしまいます。あたりまえが心の中にはびこると、相手のことがみえなくなっていくものです。
逆に言えば、あたりまえと感じていることの中に、些細な出来事がたくさんある。見つけることができれば、変化も見えてくるでしょう。
こんなときは・・・
「何も良いところが見つからない」そう感じるときもあるでしょう。無理に探さなくても大丈夫。そういうときは視点を変えてみるのもありですね。例えば、自分の中の小さな変化をみつけてみてはどうでしょう。主語を「あなた」に変えて、「あなたのがんばっていることを教えて」と聞いてみる。自分を評価できない人は他者の評価も難しいもの。心が落ち着いてくると、自然と視野が広がってくるものです。
5. 気持ちを言葉にしてみる
「感情を具体的な言葉にすることで、モヤモヤが整理される」
(エタン・クロス)
ネガティブな感情にとらわれて、自分の中だけで堂々巡り。。。辛いですよね。自分が何をしたいのかも分からなくなってきます。そんな経験のある人におすすめなのが「殴り書き法」です。
自分の思いや感情を紙に書き出す。文法や綴りは気にせず、頭に浮かんだことをそのまま書く。夫悪口、罵り、全然オッケー何でもアリ。書いたものを捨ててくださいね。 (家には捨てないでね、見られると大変)
紙に感情を書くという行為は、心の中でたくさん渦巻いている言葉たちを整理するもっとも簡単で強力な方法のひとつ。
ぜひ一人の時間を作って、集中して行って下さい。自分の中にどんな自分がいるのか、自分が本当はどうしたいのかなど、いろいろな発見ができておすすめです。

こんなときは・・・
どうしても時間が取れない!そういうときはスマートフォンのメモ帳に、通勤途中でもいいし、会社のトイレでも良いので思いつくままに書き出してみましょう。もちろん書いた後は削除してくださいね。
6. 相手の立場で考えてみる
「相手の視点を想像することで、感情的な反応を抑えられる」
(エタン・クロス)
これは少し難しいかもしれません、相手の気持ちを想像してみましょう。
「仕事のストレスがあるのかな」
「私に言えない悩みがあるのかも」
相手の気持ちを想像する能力は、人と人が関わっていく夫婦関係においてとても大切な能力です。
しかし、相手の気持ちがわかったからと、その人の思いを叶えるのは必ずしも正しいとは限りません。自分が無理をしてまで相手に合わせる必要はないのです。
相手の気持ちが分かったうえで、私もこうなんだ、と語り合うことができたら、夫婦はもっと分かり会えるのではと思っています。
しかし、なぜ相手の気持ちを想像することは難しいのでしょう。それは日本の結婚において、男性と女性の役割、立場の違いからくる感覚の違いのせい。
そこで、私が男性の視点から考えた「夫のホンネ」を分かりやすくお伝えした動画コンテンツを作りましたので、もし相手の気持ちを知りたいと思われるならば、ぜひお聞きになられてほしいと思います。
↓リンクを下に貼っておきます。
こんなときは・・・
相手の気持ちを考える余裕がないときは、「今は自分の気持ちを整理する時間」にしましょう。無理に相手のことを考えなくてもいいんです。何よりも大切なのは、あなたなのです。
7. やりたいことを、やる
「小さな行動を積み重ねることで、大きな変化を生む」
(エタン・クロス)
よくカウンセリングで伺うのは「夫がしてほしいことをするべきか」という質問です。
夫が望んでいることをすることが、夫との関係性を良くしていくに違いない・・・これは極めて危険な考え方です。
例えば子育てで考えてみましょう。子どもが「おもちゃ買って!」とねだってきました。でも、おもちゃは先週買ったばかりです。
さて、子どもとの関係性を大切にしているあなたは、おもちゃを買い与えますか?
買わないですよね。なぜなら、あなたなりに子どもの将来のことを考えているからです。
そう、あなたには、将来を考える力がある。なのに、夫とのことになると、今この瞬間のことばかりが気になってしまう。
それは・・・相手が分からなくなって、自信を失ったからです。
その不安があなたを今に縛り付けてしまう。縛られたあなたは、夫の喜ぶことはなにかと探さなければならなくなってしまうという悪循環から抜け出せなくなってしまいます。
どうすべきかはお分かりですね。あなたが自信を持って、やりたいことをやるのです。「おはよう」と言いたければ、おはようというべきなのです。自分に素直になって。
そのために必要なことは、自分を知る、相手を知る、夫婦の知識を得る、客観的視点を得るため人に相談をすること。それらを踏まえて、自分に自信をつけていくこと。
SNSで同じような苦しみを持つ人の悩みを延々と見続けも世界は変わりません。
自分がどうなりたいかを考え、やりたいことが見つけられたとき、あなたの人生は確実にあなたの幸せの山頂へと一歩踏み出しているのです。

こんなときは・・・
私が悪かったんです。だから、私がやることが正しいと思えません。と考える方にお伝えしたいのは、もう謝ったり反省するのは止めましょう、ということ。あなたはもう十分反省したではありませんか?それ以上反省しても、誰も喜ばないのです。まずは、自分に「あなたはもうたくさん反省したよね、がんばったよね」と優しく声をかけてあげて、あなたを労ってあげてほしいのです。あなたの一番の味方は、あなたなのですから。
おわりに
夫婦関係は、日々の小さな積み重ねでできています。この記事が、あなたの心を少しでも軽くし、次の一歩を踏み出す助けになりますように。無理なく、できることから始めてみてくださいね。
私はいつでも、あなたを応援しています!

執筆 夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家
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