なぜ夫は夫婦関係を改善しようとしない?その理由を徹底解説!
「夫は夫婦仲を良くしようと思っているのでしょうか?そうは見えません。」
という話を聞くことがあります。
夫はなぜ夫婦の関係を改善しようとしないのでしょうか。
これは多くの妻達が抱える悩みです。夫の態度にストレスを感じ、孤独感や不安が募ることもあるでしょう。
夫婦関係がうまくいかないと感じるとき、あなたはどのように対処していますか?
もし夫が改善しようとしない理由を理解することができれば、解決の糸口が見つかるかもしれませんね。
この記事では、夫が夫婦関係を改善しようとしない真の理由に迫り、男性夫婦カウンセラーの視点で様々なデータも交えながら考察してみます。
あなたの悩みに寄り添いつつ、夫婦関係の悩みを乗り越えるための道筋を一緒に探っていきましょう。
それでは、どうぞ!
世の中の夫婦はどれくらい不幸なのか
あなたは今の夫婦関係に満足していますか?
そもそも、日本の夫婦って、どれくらいが夫婦関係に満足しているんでしょうか??
そこで、日本の夫婦は夫婦関係がどうなっているのかをまず調べてみました。
リクルートブライダル総研「夫婦関係調査2021」によると、
「幸せ」、「まぁ幸せ」な人たちは
67.2%
という結果だそうです。(全部の平均値)
これを見て、あなたはどう思いました?
私は、結構幸せな夫婦多いじゃん!とちょっと嬉しくなりました。
でも、ぬか喜びでした。
離婚をする夫婦の割合を見てみると、ちょっと不思議な現象が起きます。
離婚する夫婦って、全体の
約35%
なんです。
あれ?67.2%幸せで、35%離婚って・・・足したら、ほぼ100%ってことですよね。
つまり、不幸せな人は、みんな離婚しているってことになります。
そんなことある???
いや、そもそも離婚寸前までいってても離婚していない人なんてものすごく多そうですよね。
だと考えると、35%離婚しているなら、せいぜい仲の良い夫婦は50%程度くらいでは??
なんだか、この調査、怪いのか!?
と一瞬思いました。
でも、この結果は、別の考え方で筋道を通すことができました。
7割の人は、本当に幸せを感じているのです。
ところが。
幸せだと思っていたにも関わらず、水面下では実は小さなヒビが入っていて、時間が経ち、ある日突然「離婚してくれ」だの「浮気してるの!?」ということが起こってしまっているのではと考えられるのです。
実際、うちにご相談に来られる方も、直前まで幸せだと思っていた人がたくさんいます。
知らぬは妻ばかりなり。。。(もちろんその逆もあります)
ああ恐ろしい!!!!
という風に考えることができます。
そんなことにならないよう、もし幸せだと感じていても、ちゃんと夫婦関係に関心を寄せることがとても大切なのだと、データが教えてくれているように私には思えるのです。
☆point☆ 自分が幸せでも、相手が幸せとは限らない
夫は夫婦関係をどう思っているのか
さあ、そんななかで、夫婦仲を改善しない夫たちのことを考えていくのですが。
そもそも夫は夫婦関係をどのように考えているのでしょうか。
妻と比較してみてどうなんでしょう?
というわけで、男性と女性の配偶者満足度を調べ、図式化してみました。
それがこちら。
下の軸は結婚年数です。結婚した年数が増えていくに従って満足度も低下していく、というなんとも悲しい数値ですが、ポイントはそこではありません。よく見てください。
男性の満足度が、女性より・・・軒並み高いのです!!(ずっとね)
男性の妻への満足度なんか、25年経っても、女性の5年目と同じくらい妻に満足しているのです。
↑クローズアップしてみました
この結果は、女性に比べ、男性はパートナーに満足しているということを示しています。
でも、、、
残念ながら、あなたは相手に満足をしていない。だから、夫婦関係を良くしたい。
でもでも、、、
相手は満足している(そんなに不満はない)ので、別に良くするために頑張る必要性がない。
つまり、相手が満足しているのであれば、相手からの積極的な改善行動など期待することはできいないということ・・・。
これは困った。
というわけで、次は、
あなたは満足していないのに、なぜ相手が満足しているのか。
男女の満足度、その「差」について考えてみましょう。
差を考えると、夫への対応の方法が見えてきます。
☆point☆ 不満にも差がある
妻たちは何に不満なのか!?
夫に比べて総じて満足度の低い妻たち。
いったい夫の何が不満なのでしょうか。それを調べてみましょう。
こちらは男女共同参画白書 令和4年版から引用した「結婚の理想と現実」についての調査をグラフにしたものです。
結婚前に相手に求めたこと(理想)、結婚後相手に求めたこと(現実)が上下に並んでいます。
左が女性、右が男性ですね。
多くの値で、ベタぬりのグラフ(理想)の値より、網グラフ(現実)の値が下がっています。
結婚前には相手に求めていたけど、結婚後には相手に求めなくなった、ということです。
ところが!
女性の回答で、有意に結婚前より結婚後に求めることが増えている項目がいくつかあるのです。
これが妻たちの不満を明確に表しています。
では、結婚後に「より相手に求めるようになった項目」をランキング形式で発表してまいりましょう!
第3位「子ども好きである」
20.1%(理想)→21.5%(現実)
7%アップ
子どものことをもっと好きになってほしい、そしたら、もっと子育てをより積極的に行ってくれるよね!?という欲求でしょう。
第2位「満足いく経済力」
28.3%(理想)→32.2%(現実)
14%アップ
今の稼ぎじゃ足りないよ、もっと稼いできてね、ということでしょう。おそらく子どもができ、自分の働き方に制約がかかるなどで、夫の収入に期待せざるを得なくなったことが関係していると思われます。
第1位「家事分担できる」
24.4%(結婚前)→36.8%(後)
50%アップ
堂々ぶっちぎりの第1位がこちら。家事分担。結婚してから分かったよ、分担してもらわなきゃ回んねぇよ!大変なんだよ、分かってよ!という感じでしょう。50%アップという驚異的な期待値を考えると、共働きによる家事の負担増ももちろんあるでしょうが、おそらく子ども(子育て)の影響が高いと想像できます。
※「親兄弟とうまく付き合う」はもともとの期待値が低いのでランキングから除外
こうやって項目を並べると分かると思いますが、相手に期待するランキングの全てが、自分に対しての期待ではなく家族、子どもに対しての関心を高めてほしいという期待であることが分かります。
自身ではなく、家族や子どもに対しての行動を期待している。これが妻の望むものであり、夫への大きな不満となっています。
そして、これが夫に高い壁となって立ちはだかるのです。
☆point☆ 夫婦の不満ではなく、家族の不満を代弁する妻
なぜ夫は妻に求めないのか
先ほどの表でおわかりのとおり、夫は妻に対して求めることがほとんど減っています。求めてないということです。これはどういうことでしょう。
求めるということは、足りていない、ということ。
求めないということは、足りている、ということ。
おそらく・・・
本当に満足しているのではないでしょうか。
夫婦や家庭に対して、夫は足りていると感じている可能性がある、ということです。
それは男性の夫婦満足度が妻よりも高いことからも分かります。
さっきのこれ↓
大多数の男性は、妻に対してそこそこ満足しているのです。
片方が不満なのに、もう片方は満足している。
ここからは私の仮説になりますが、男性は、人生の軸足が家庭ではなく、仕事に向いているからではないかと考えてみました。
男性の心理を言葉にしてみると・・・
もっと家事をしたり、子どもとの時間をとったりすれば妻は喜ぶだろうけれど、お金を稼ぐことも必要じゃん?だから仕事もしなきゃいけないんだよ、と自分を正当化させつつも、やっぱり自分自身を評価してくれる、自分を見てくれる会社・仕事に目を向けている自分がいて、そういう考えが妻に対しての申し訳なくもあり、そう考えると「好きなことをやらせてもらっている俺は幸せだ」と、夫婦関係に満足しているんですよね。
というイメージです。
例えるなら、仕事と家族の2重生活をしているような状態かな、と。
仕事と家族の2重生活なんて言葉、考えたことなかったですけれど、案外と良い線突いてるのではなかろうかとは思います。
いやいや、もっと家族に軸足置けよ!もっと子ども大切にせぇよ!
と思うかもしれませんね。
自分勝手やろ!仕事より家族やろ!!!と。
おっしゃる気持ち、とっても分かります。
実際、夫だって本当はもっと家族に評価されたいはず。だって役に立つのは大好きですから。
では、なぜそんな中途半端な2重生活になってしまうのでしょうか。
一つの考え方ですが、男性特有の「共感力の低さ」が影響しているのではないかと考えています。
共感力とは、相手と感情を一致させる能力です。ざっくり言えば、テレビドラマの主人公が苦しい思いをしているときに一緒に苦しく思える能力といってもいいでしょう。(ただし、相手の考えを理解する能力とはちょっと違う)
もちろん人によってばらつきはありますが、一般的に男性の共感力は女性より低いことが研究によって明らかになっています。
相手の苦しみとか、悲しみとかを同じように感じる能力が、男性は低いのです。(だから女性が泣くと男性は混乱し途方にくれる)
これは生きていく上で、特に子育てにおいて横のつながりを大事にしていかなければならなかった女性と、そうではない男性の違いと言われています。進化論的に男性には強く求められなかった能力なのです。
(核家族化した現代において、妻が頼れるのは夫しかいないという状況では男性も必要な能力となってきましたが、まだそこまで進化しきれていない様子です)
この能力が低いことを軽んじてはいけません。結構深刻なことです。
共感が得意な人からすれば、なんで分からないの!?と思えてしまうでしょう。
例えば、、、走るのが得意な人からしたら「なんで走れないんだ!?サボってんじゃないの?」と見えるかもしれません。
ですが、走るの苦手な人に早く走れ!というのはなかなか酷なこと。トレーニング次第でアップするけど、相当の努力が必要ですよね。
また、苦手だから「努力したい」というモチベーションが湧きにくいのです。
能力差というのは、人の理解を難しくします。世の中「普通」は存在しませんから。気をつけましょうね。
おっと失礼!共感力の低さに話を戻します。
ケースバイケースですが、多くの人を導くような仕事で成功している人は共感力が低い傾向にあるのではと言われています。共感力が低いと、相手のことが分かりすぎません。だから、お仕事でグイグイ行けるのです。他人に少々迷惑をかけようが、進めることができるのです。だって分からないから。
逆に気持ちが分かりすぎると、部下から「無理です、できません」と言われたら「そうだよね、しんどいよね、無理だよね、、、」と共感できてしまい、仕事が進まず、途方に暮れるでしょう。上に立つのは大変ですよね。
もしあなたの夫が仕事がグイグイできるタイプである場合、共感力がさほど高くない可能性があります。(可能性ね)
そんな仕事ができる夫は、妻に満足いく年収を提供することが最も得意なことになります。
その逆に、
子どもの気持ちを分かったり、妻が家事をどんな気持ちでやってるかを理解することは、難しいのです。
ですから、なぜ妻がイライラしているのかもよく分からない。
それは愛があるとかないとか関係なくて、共感する能力が低いからなのです。
でも、そんな自分を理解してもらえなければ、評価してもらえる仕事に人生の軸足を置くことになります。2重生活のはじまりです。
☆point☆ 同じように感じられない=愛がない、とは限らない
夫の関係改善のやる気が削がれていく理由
何度も言いますが、夫だって評価されたい生き物です。それは会社だけでなく、家庭でも同じです。評価されたいのです。頑張りたいのです。いや、本当ですって。
ですから、巷ででよく聞く「夫に家事をやってもらうときには細かく指示をしましょう」というアドバイスは、共感を求めていないため、とても効果的に機能します。
共感を必要としない、このようなやり方であなたが夫を評価できるのであれば、問題は解決しますね。
でも実際には、そういうものではないじゃない、ですよね。
もちろん家事をやってもらいたいが、でも、ただ家事をやってもらいたいとか、そんな話じゃないんですよ。ね。
気持ちを分かってほしいんですよ!!ですよね???
それが、夫にとっては難しいんですうううう。
妻や子どもの気持ちを分かってほしいと求められると、どのようにすれば良いのか分からないというのが正直なところであり、向き合うことが難しくなる。だから逃げる。
はい、これは先ほどお話しました。
でも実は、もう一つ夫が夫婦関係の改善に前向きにならない理由があります。
それは、、、、先ほどの「相手に求める理想と現実」の表のこの項目。
妻が、夫に恋愛感情を求めなくなっているのです。(上が理想、下が現実)
恋愛感情に対しての期待値が40%もダウンする!という衝撃的な結果です。
夫を男として見なくなっている。
これはもう間違いなく・・・子どもの存在が大きいでしょう。
子どもができることによって、夫の優先順位が3ランクダウンくらいになってしまうことは夫婦カウンセリングでもよく、よく聞きます。
1位:子ども、2位:自分、3位:親、4位:犬、、、、あれ?5ランクダウン?
とにかく、落ちまくりです。
ここからがとても重要な話になりますので、頑張って説明します。
頑張って読んでください。
夫婦仲を改善したい、と女性が考える場合、自分と子どもという枠組みで考える傾向にあることは、もうお気づきだと思います。
シンプルに言い換えると
『自分と子どものことを大切にしてほしい』
それが相手に対しての改善要求ですね。
そんなの当たり前じゃないですか!と思うかもしれません。
もちろん、子どもは大切です。とても分かります。
そこで、私が以前カウンセリングを行った時に聞いた、とても心に残っている、ある男性の悲痛なメッセージをご紹介します。
「君はもっと家族を大切にして、と言うけれど、その家族の中に僕は入ってないじゃないか!」
これを聞いた時、とても納得したのを覚えています。
この言葉は、男性の夫婦関係改善というテーマの根幹を突いています。
妻の考える家族のなかに、夫婦のパートナーである夫が含まれていないのです。
にも関わらず、妻が、夫に改善を求めている。
これって、夫からすると、あなたの居場所はここには無いけれど、頑張るのは当然でしょ。だって父親なんだから。と言われているみたいで、かなりしんどいことです。
本来、「夫と妻」が幸せになる道筋を二人で探していくことが夫婦仲改善ですからね。
でも、そこに夫が含まれていないまま要求をしてしまっているとしたら・・・。
夫に改善を求めるならば、まずは夫の幸せ、そして、夫と妻としての幸せに焦点を当てる必要があるのです。
もちろん、課題を抱えているのは妻ばかりではありません。
仕事と家族を2重生活的に送る夫にも問題があります。共感が苦手だからと得意な分野のみに軸足を置き、結果家族と距離を取ってしまった。
その結果、妻を共感する能力を鍛えずに来てしまった。
妻に「家族」として認められなくなるのも、自業自得であるといえるでしょう。
妻は子どもに、夫は仕事に。
正直、どちらが先に夫婦の軸足をずらしたかは分かりません。夫婦なんてどちらが悪いというわけでもなく、だいたいどっちも色々課題を持っているわけです。
だから、気付いた方から行動するのが最も有効です。
相手がやらないのに私ががんばるなんておかしい!と行動しなければ、関係は変わらないのです。
夫婦は鏡ですから。
だから、今目の前にいるパートナーの存在に、まず目を向けてほしいのです。
そして、夫を男性として見てほしいのです。
それは、自分のことを妻として、女性として見てほしい、ということでもあるのです。
あなたたちは、家族である前に、夫婦なのですから。
今だから分かることがある
この話は、子育てど真ん中にいる人たちには、正直、届きにくいだろうな・・・と思っています。
だって、本当に本当に大変だもの・・・
男とか女とか、無理なんですけど!ってなりますよね。。。
でもやっぱり、なんとしてでも気づいてもらわないと、こんな出口のない苦しい思いなんか、体験してほしくないんです。
そこで、この私の話を聞いてくれたサロンメンバーが書いてくれた感想を紹介することにしました!
コメントをくれたサロンメンバーは既に子育てを終えております。
だからこそ、この話を聞いて、渦中の自分に対しての素直な気持ちが書かれていました。
私のようなおっさんの暑苦しい情熱理論よりも伝わるよ…という想いを込めて、3人のメッセージをどうぞご覧ください!
男性は「夫婦」と「子どもを含めた家族」を別々に捉えている。夫婦仲うまくいっていない時、まさにここで夫と議論になり、いつも平行線で着地点が見出せなかったです。
このすれ違いってかなり大きいですよね~。女性にとって、子どもはまさに命懸けで産んだかけがえのない存在で、そして大好きな夫との子どもでそこを切り離して考えるって、難しいですよね。
しかし、子どもたちが大きくなり巣立った今、夫婦で家族という単位に戻りました。
子ども優先にし過ぎてしまうと、ここで夫婦に戻るのは難しいだろうな~と思いました。私たち夫婦は、夫の不倫をきっかけに再構築していく中で夫婦についてめっちゃ考えて、なんとか夫婦に戻っていますが。
夫婦と夫婦を含めた家族を別々に考える視点、とっても大切だと感じた朝でした。
(Hさん)
もっと夫婦として求められているものに気付いていられればきっといい夫婦になっていたのかなって思います。
夫さんは、子供の母親としての奥さんより、自分のことを大好きな一人の女性として向き合いたい、受け入れられたいのかなと思いました。
亡くなった義母も、子供達のことより義父を大事にしていたと思います。すっごく仲が良かったのです。眼の前に良いお見本があったのにな〜
(Dさん)
40代本当、子育て&仕事&介護と24時間じゃ足りないくらい、毎日が必死だったなぁー。
もっと早く夫の気持ちを分かってれば、きっと今とは違う夫婦関係だったのかなぁ~なんて思いながら...。
男の人と女の人って考え方違うんだなぁ~だからすれ違いもおきちゃうんですね。
今は子どもと一緒に夫として、父親として、一人の人間としてリスペクトしてます。
(Yさん)
サロンメンバーの「今だから分かる」メッセージに、胸がとっても暖かくなります。
ひとりで頑張ってると、本当に気づけなくなるもの。
だから、「ああ、しんどい・・・」と思ったときには、誰かをぜひ頼ってほしいと思います。
すぐそばに、応援してくれるひとがきっといますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
夫婦アカデミーオンラインサロンのご紹介ページ
執筆 夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家
夫が何を考えているのか分からないあなたへ『夫のホンネがわかる動画』も絶賛公開中です。
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