介護のプロに聞いた「親の介護で知っておくべき たったひとつのこと」

選択肢を増やすと心に余裕がうまれる

 

下木:ところで、普段の生活で父をどれくら手伝っていいのかわからない。歩いていて転倒したこともあるし。

桃沢:私は迷ったときには全部相手に聞くようにしています。ジェスチャーでいいのでお父さんに手を差し出してみてください。その手を見て本人がいらないと言うのであれば任せればいい。決めるのが本人が良いですね、自尊心が保たれますから。必要なときにはお父さんから手を出してくると思いますよ。

一度転倒していると、立つことに対してとても臆病になってきます。動きたくなくなってくるものです。

手を差し出して、安心させてあげて欲しいですね。立てなくてもいいので立とうとすると、リハビリにもなりますし、筋肉を動かすことにもなりますから。

下木:確かに、転んだわけだから立つのが怖くなるよね。そうなるとやっぱり車いすのほうがいいかなって思うけど、車椅子に座らせてばかりいると足腰がどんどん弱ってしまうんじゃないかと思って二の足を踏んでしまう。どうすればいいんだろう。

桃沢:乗らなくても車椅子は用意しておくといいですね。車椅子に乗らないと外出への意欲がなくなってしまうことがあります。外の空気に触れたほうが心身ともにも良いですから。

歩けそうなときには歩かせるし、難しいなと思ったら車椅子を利用する。選択肢を用意しておくと、介護する側にも余裕が生まれる。あらゆる場面に対応できるようにしておけば、もうどうなっても大丈夫って気持ちになります。

下木:確かに車椅子を用意しておくだけでこっちがすごく楽になる!

桃沢:これからいろんなことが起こります。徐々に徐々に老化が進行していく。それに伴って私たちも弱っていく。やることが増えていくにもかかわらず、やれないことも増えていく。そこにうまくサポートや他人の力を借りる。決して無理をして何かをするのではなく、今の自分で楽にできることだけをチョイスしていく。

今やれることが3年後にもできるわけではない。常にやる内容が変化していく。だからこそ家族のコミニケーションはとても大事ですね。もちろん、コミュニケーションは難しいです。でも、受け入れられる人が1人いれば、きっと家族は楽になるでしょうね。

 

「選択肢は多いほうがいい」桃沢さんはキッパリ言います

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