「夫は結婚に向いてない!」と思った妻の気持ちにカウンセラーとしてどう向き合うか

こんにちは、夫婦再生カウンセラーの下木修一郎です。

今日は、多くの妻たちから聞く切実な悩み「夫は結婚に向いてないんじゃないか」について、ある実際のご相談を通じて深掘りしていきます。

佐藤家の場合:3人の子育てに限界を感じるママ

佐藤美香さん(仮名・35歳)は、7歳の長女、5歳の長男、1歳の次女を持つ専業主婦です。夫の健太さん(仮名・37歳)はIT企業に勤める会社員。結婚8年目のある日、美香さんは私のカウンセリングルームを訪れました。

「先生、私、もう限界です...」

美香さんは本当に疲れているようでした。

「あの人(夫)、本当に結婚に向いてないんじゃないかって...」

美香さんの悩みは次のようなものでした:

1. 仕事から帰ってくると、ほとんど会話をせずにスマートフォンを見ている
2. 休日も家事や育児に協力的でない
3. 美香さんの気持ちを理解しようとしない

「毎日がこんな調子で...本当に疲れてしまって...」

美香さんの声はとても力のないものでした。

夫婦カウンセラーからのアドバイス

美香さんの話をたくさんお聞きした後、私はこのような提案をしました。

「まず、夫の行動の背景にある気持ちを想像してみましょう。そして、いくつかの小さな行動から始めてみませんか?」

1. スマホを見ている夫が考えていること

「仕事のストレス解消もあります。男性は職場から出て家に帰るとスイッチが切れてしまいます。これがうまく家事ができない理由の一つです。

たとえば『今日の仕事はどうだった?』と聞くのはいいですね。仕事の話をすることで、緩めにスイッチを入れてあげるのです。

『今日は…』と話したら、彼がどんなことを頑張ってきたのかなどを知る手がかりになります。

あと、それをうまく評価することで、家で活動的になるスイッチを入れることができるかもしれません。」

2. 家事をしない夫の心の中は?

「男性は自分の得意なことはやりたがる傾向があります。逆にやったことがないことはうまくできる自信がなくやりたがらないという特徴もあります。妻の方が得意となるとなおさらです。

あと、やり方がわからない可能性があります。完璧を求めずに、具体的に『この皿をここに入れてもらえる?』レベルから頼んでみる。そして評価することを忘れずに。

ありがとうもいいですが、具体的な言葉『助かった」『早い』などが言えるようになると、ちょっと自信が出てきてやりたがるようになってきます。

男の心理の仕組みを利用してみましょう。」

3. 妻の気持ちを理解する気がない夫の真実

「夫なりに頑張っているかもしれません。ですが多くの家庭で夫の頑張りが空回りしているように感じます。

夫から『妻を大事に思ってやってるのに、妻はやってないと言います』という話もよく聞きます。

評価のズレは夫婦の信頼関係に深刻なダメージを与えることがわかっています(浮気に走りやすい)。ですのでしっかりと対策する必要があります。

まず彼が頑張っているけれど空回りしている前提で会話を始めます。『いつもがんばってくれてることは分かってる。本当に感謝している。』という導入ができれば、彼は聞く耳を持つことができます。

その後に『こういうふうにしてくれたらもっと嬉しい』と提案しましょう。

評価するのは、提案どおりに動いたか、ではなく、”私の話をきいてくれた”こと評価してあげれば、彼はとても動きやすくなるでしょう。」

美香さんは少し不安そうでしたが、「わかりました。やってみます」と頷きました。

1ヶ月後:変化の兆し

「先生、信じられないことが起きました!」

美香さんは、少し明るい表情で3回目のカウンセリングに訪れました。

「夫が自分から『家族で出かけよう』と言ってくれたんです!」

「ほんとですか!それは嬉しい!これは大きな一歩です!」

私は美香さんにこう説明しました。

「美香さんの意識の変化が、夫の気持ちを動かすきっかけになっている。コミュニケーションが増えたことで、夫も自分の存在を家庭内で感じることができているのでしょう。いい感じですね!」

「結婚に向いている」の本当の意味

私は美香さんにこう伝えました。

「もしかしたら揺り戻しが起きるかもしれません。人の気持ちが定着するには少し時間がかかります。

また、美香さんが相手が変わることを求めて行動してしまうと、彼にがっかりすることが増えてしまい、逆にストレスとなるでしょう。

「なぜ私に対して愛情をくれないのか?」という視点ではなく、「なぜそんな行動を取るのか?」と一歩後ろに引いて客観的に見ることを意識してください。

そして、美香さんご自身も完璧を求める必要はありません。ああ、これができなかった、あれはもっと良い言い方があったのでは、と落ち込む方もいますが、美香さんも人間です。そんなに簡単に変化することなんてできません。

夫と一緒に、少しずつ少しずつ成長していければそれで十分なのです。

『結婚に向いている』というのは、生まれながらの資質ではなく、思い込みを手放し、相手を理解することで結婚の喜びを感じ、いつの間にか『あなたと共に生きていくのに向いている』人間になっていくのです。」

具体的な改善策

美香さんにもお伝えしましたが、夫婦関係を変えていくにはこのような段階的なアプローチを行っていきます。

1.自分自身を理解するための時間をつくる

実はこれを一番重要に思っています。どれだけ具体的なアドバイスをしたとしても、行動する妻の気持ちがグチャグチャだとうまく行きません。

ご自身でも自分の機嫌を取っていただかなければなりません。

そのために自己理解をするための時間を取ってもらうのです。子どものために時間を使っている人には大変なことですが、子どもにとってお母さんの機嫌が良いことは何よりも重要なこと。なので、子どもたちのためにも、自分の時間を取ることを頑張ってもらいます。

そんな頑張ってるあなたを応援すべく、カウンセリングもあなたが元気になってもらうことをとっても大切にしています。

2. 言葉の量を減らす

女性のコミュニケーションは、男性にとってとても高度です。右脳と左脳をフルに動かし過去と今を自由自在に行き来し、起きていない未来の不安まで考慮するのです。

「先週から今日は早く帰ってきて欲しいって言ってたよね、何度も言ったよね。2ヶ月前も同じことあったよね。なんでいつもあなたは聞いてくれないの?そんなんでこれから先、子どもに何かあったらどうするの?」

本当にその通りなのですが、一度の文章量がこれだけ多いと、男性はすぐにフリーズ(固まる)してしまいます。それを見てあなたはまたイライラ…

ですので、一度の言葉の量を減らしましょう。そして、一旦止めることを意識してみてください。

「先週から早く帰ってきてって言ったよね。それは覚えてる?」

で区切りです。ここで止まると、男性もさすがに答えざるをえません。でもこれでコミュニケーションが始まる確率が少し上がります。

少し、少し辛抱してみましょう。

3. 嫌なところも良いところも全部伝える

嫌なところ、ムカつくところありますよね。言わないのは体に毒です。言いましょう。言っていいのです。

その代わり、良いところも伝える必要があります。

嫌なことを言いたければ、ちゃんと相手のことを見て、評価できるところを探すのです。

悪いところだけを伝える→俺の事が嫌いなんだ

悪いところと良いところを伝える→嫌いで言ってるんじゃないのか、不満なのか

となるのです。

ケースバイケースで様々な改善策を考えますが、はやり自分のことを知るために自分のための時間を作ることと、コミュニケーションを見直すことはどのようなケースでも必要だと感じます。

ぜひ参考にしてみてください。

まとめ:希望は必ずある

美香さんの事例は、多くの方に希望を与えてくれるものです。「夫は結婚に向いていない」と思ったとき、それは実は新たな成長のチャンスなのかもしれません。

大切なのは:

1. 小さな変化から行うこと。決して無理しない。
2. 相手の気持ちを想像する。そのために自分の気持ちを知る。
3. コミュニケーションにはコツがあることを知る。
4. 完璧を求めすぎない。自分を責めたら元気が無くなってしまうから。
5. 必要なら専門家のサポートを受けることを考えてみましょう。

皆さんも、諦めずに、粘り強く対話を重ね、より良い関係を築いていく道を選んでみませんか?

その先には、想像以上に豊かな家族の姿が待っているかもしれませんよ。

最後に、美香さんからのメッセージをご紹介します。

「私も何度も諦めようかと考えました。いまだ不安になる日もまだありますが、この先まだまだ長くあるし、2人で幸せになろう!と今は思えています。」

皆さんの経験や思いも、ぜひメッセージください。公式LINEからお送り頂けます。質問も受付中です。

一緒に、幸せな家族関係を目指していきましょう!

執筆 夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家
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