【夫婦相談】息子の不出来は全てあなたの責任という妻…離婚協議を検討したい
【相談】y.o.さん 49才男性
自身は医者(勤務医)、妻は看護婦、息子は15歳です。3年ほど前から急速に夫婦関係が崩れ、現在は妻がほぼ家事を放棄している状態、彼女の方から慰謝料5000万円で離婚可、息子の親権もいらないとのこと。双方ともに不貞の事実はなし。3年前の息子の中学受験失敗の際および先月の都立高校受験失敗の際は、彼女は息子に対し、「そんな子は私の子ではない」等の雑言、私に対しても「息子の不出来は全てあなたの責任」等の雑言あり(ちなみに私立高校には特待生で合格)。現在は、妻との会話が成立しない状態で、第三者を立てて離婚協議を検討したいと考えています。具体的なアドバイスをいただければ幸いです。
【男性夫婦カウンセラーの回答】
回答者 下木修一郎のプロフィール
ご子息、私立の特待生での合格、本当におめでとうございます。家庭でお母様からのプレッシャーを受けながらの非常に厳しい状況で勝ち取られたこと、本当に素晴らしいですね!ご相談者さまの文章から、ご子息を愛されているご様子が伝わってきます。
ご子息に一番大切なことは、尊敬できる親から認められることだと思います。 これでもか!相手が嫌がるくらい褒めてあげてくださいね!
女性から離婚要求の際、一応男性の影が無いかどうかを意識するのですが、わざわざ「不貞の事実はなし」とお書き頂いたということは、既に探偵などで確認済みということですね。
第三者を立てたいということは条件に不服があるということだと思います。
ご存知だとは思いますが、協議離婚がうまく行かない場合、調停を申し立てることになります。申し立てる前に、まず離婚に強い弁護士先生を探し、離婚対策チームを作ってください。しっかりとした準備を先に行い先手を取れば、調停を有利に進められる可能性が高まります。奥さまと安易に話を進めず、まずは弁護士先生を探すことを第一優先としてください。
ですが・・・
私が一番気になるは、慰謝料の金額でもなく、親権でもなく、体裁でもなく、お二人の大切なご子息の「将来」です。
今のまま離婚となると、表面上は離婚原因は子供の受験失敗となってしまいます。それは、ご子息の心に大きく深い傷跡となってしまうのではないでしょうか。
大好きな父と母が自分のせいで離婚してしまった。
自分さえ合格していればこの家庭は壊れなかったのだ。
悪いのは全て自分だ。
自分が原因で親が離婚するという悲しみは、一生つきまとう。自分が結婚するときも、自分の子供が生まれたときも、その辛い過去を思い出す。
ご相談者が今回の件で、一番重要視しなければならないことは、ご子息を守ることだと考えます。この離婚は、決してお前(ご子息)が原因では無い。と伝えられるようにして欲しいのです。
お二人の離婚原因は決してご子息ではないと、私は断言できます。
失礼な言い方になってしまいますが、ご相談者さまと奥さまの気持ちの共有、少なくとも奥さまにとっては足りていなかった。
ご主人は医者。子供も優秀なのは当たり前と世間から思われる。受験の失敗などありえない。もし失敗すれば,医者の夫ではなく、自分に原因があると思われる!奥さまも必死だった。
だか、受験に失敗してしまった。失敗した原因は、医者の夫の血ではなく、自分の血に違いない。
だがそれを認められない。受け入れられない。受け入れた瞬間、自分は医者の妻にふさわしくないことになる。世間から避難されるのは自分。
3年前、彼女は家庭の居場所を失ったのですね。
そして先月の受験失敗で、奥さまの帰る場所は無くなってしまった。
受験の失敗が受け入れられない。それは、受験に失敗した子を、我が子として受け入れられなくなることと同じ。
「ソンナコハワタシノコデハナイ」
自分自身に追いつめられ、それから逃げるために、遂にご子息への罵りの言葉が出てしまった。奥さまの離婚は、帰る場所の無い家庭から逃げるため。慰謝料5000万円という高額な要求も、自分が悪くないということを社会的にも証明するため。
離婚原因は、お二人が家庭の幸せを共有していなかったことにあるのでしょう。
どちらが悪いわけでもありませんが、ご主人の立場が、奥さまを無意識に追いつめてしまったのかもしれません。
奥さまがご子息に発した罵りの言葉は、決して許されるものではないです。
ですが、このまま奥さまとご子息を離れ離れにせず、何とか少しでも奥さまと気持ちを紡ぎ合えればと切に願います。奥さまとの関係は相当拗れているので、生半可な気持ちでは難しいでしょう。メンタル的にサポートできる方とタッグを組みチームを作って、ご子息の将来に穏やかな光を当てられるよう頑張って頂きたいと思います。もしお力になれることがありましたら、ご相談ください。
(リコナビより転記、加筆修正)
夫婦再生カウンセリング名古屋 主宰 下木修一郎(しもきしゅういちろう)
NPO法人日本結婚教育協会会員
夫の気持ちを知る!夫の気持ち研究家